こんにちは。
Gスクラム全国会事務局 深貝です。
今回の記事より、行政書士の方がOSS申請を始めるにあたり必要な準備と、実際にGトライ/SunBridgeを使って自動車登録を完了するまでの流れを以下の順で解説していきたいと思います。
下線部分が今回の解説範囲です。
- 準備編
1 納付可能な金融機関の口座開設
2 行政書士用電子証明書の取得
3 「一括利用者ID」及び「納付利用者ID」の取得
4 PC環境・申請ソフトの設定
- 実践編
1 申請を行う条件の確認
2 新規登録
3 中間登録
4 継続検査
2005年に利用が開始されたものの、長年利用率が伸び悩んでいたOSS申請ですが、現在は44都道府県まで利用地域が拡大し、利用率も新車新規で50%、継続検査が42%(令和2年6月)と着々と利用率を伸ばしています。
今後も、新型コロナウイルス感染症によるテレワークの推進の流れや、2023年に予定されている車検証の電子化が控えており、OSS申請が自動車登録のメインになっていくことが予想されます。
OSS申請をやってみたいが何から手をつけたらいいかわからない!と敬遠されていた方も、この記事を参考にOSSに取り組んでみていただければと思います。
目次
OSS申請とは?
本題に入る前に、まずは簡単にOSSについて説明したいと思います。
国交省が提供しているOSSのポータルサイトには以下のように書かれています。
自動車を保有するためには多くの手続(検査登録、保管場所証明申請等)と税・手数料の納付(検査登録手数料、保管場所証明申請手数料、保管場所標章交付手数料、自動車税種別割、自動車税環境性能割、自動車重量税等)が必要となります。
これらの手続と税・手数料の納付をインターネット上で、一括して行うことを可能としたのが、「自動車保有関係手続のワンストップサービス(以下、OSS)」です。
紙による登録の場合、
- 保管場所証明申請
- 保管場所証明交付
- 登録
という3ステップを踏む必要があります。
しかし、あらかじめデータ上で必要書類を添付したOSS申請の場合、
- 車検証交付
- 保管場所証明交付
の2ステップで登録を完了することができます。
ですが、必要書類を完全に電子化するには電子委任状や住基カード(もしくはマイナンバーカード)を提出する必要があり、その普及率の低さから完全な電子化には至っていないのが現状です。
そのため、現在は印鑑証明書・委任状等の必要書類を紙面で提出し、審査完了後に車検証を受け取るハイブリッド方式でのOSS申請が一般的です。
ハイブリッド方式でのOSS申請の場合、
- 書類提出
- 車検証交付
- 保管場所証明交付
という3ステップが必要になるため、紙と比べてメリットを感じにくいですが、車庫証明の交付までの日数が早い、支局での滞在時間が抑えられるなどの効果があります。
納付可能な金融機関の口座開設
まずは手数料や税金の納付に使う銀行口座について説明します。
OSS申請の特徴として、手数料や税金を現金ではなく、インターネットやATMからペイジーを利用して支払いをします。この方法はまとめ納付と呼ばれています。
この方法で支払いをするには申請先の都道府県の指定金融機関でかつ、ペイジーに対応した金融機関の口座を開設し、インターネットバンキングを申し込む必要があります。
そこで上記の条件に当てはまる各都道府県の金融機関を表にまとめましたので、ご覧ください。
地方銀行・信用金庫については詳細欄にリンクを掲載しています。
インターネットバンキングで各種手数料・税金の支払いが可能な金融機関の一覧(2024年6月現在)
※ 一部の地方銀行では他県の支店から支払えない場合あり
※ △は県内や地域内の支店などの条件つきで支払いが可能
※ その都道府県で唯一使える都市銀行にピンクの下線を引いています
自分の地域に対応した金融機関がわかりましたでしょうか?
近隣の県や、よく登録を依頼される県でも使えるように都市銀行の口座も合わせて持っておくといいかと思います。
行政書士用電子証明書の取得
続いて申請時に添付する行政書士用電子証明書の取得についてです。
OSSでは使用者本人以外に行政書士等が代理人として申請することが可能で、
その証明としてセコムトラストシステムズ株式会社の発行する行政書士用の電子証明書が必要となります。
電子定款の作成の際にも必要となるため、すでにお持ちの方も多いかもしれません。
申し込みページは以下から進むことができます。
行政書士用電子証明書のお申込み – セコムトラストシステムズ株式会社
申し込みから発行までの流れは以下です。
1 Webから利用申込書の入力・印刷・捺印
2 サービス料金の振り込み
3 必要書類の準備
4 申込書類の発送
5 (審査後)証明書の発行
証明書取得までの日程
申し込みから証明書の発行までに約2、3週間かかります。
直近にOSS申請の予定がある場合には、早めに申し込みをしておきましょう。
サービス料金
電子証明書は有効期間によって料金が異なります。
2年間で17,500円(税抜)、3年間で26,250円(税抜)です。
1年あたりの料金は変わりませんので、どちらでも問題ありません。
事務所名称
申し込む際の事務所名称は、日本行政書士会連合会に登録されている事務所名称と同じでなくてはなりませんので、気を付けましょう。
必要書類
一般的に以下の書類が必要です。外国籍の方や日行連の登録名称が旧姓になっている方等は追加の書類が必要となる場合もありますので、セコムトラストシステムズのホームページをよく確認してください。
- 住民票の写し(3ヵ月以内のもの)
- 印鑑登録証明書(3ヵ月以内のもの)
- 振込控え若しくは振込控えのコピー
準備編の前編は以上となります。
次回はOSSポータルサイトでのID取得、Gトライ/SunBridgeへの設定方法を解説していきます。
ご覧いただきありがとうございました!
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